電気料金値上げ!法人ユーザーが知るべき背景と節電戦略
電気料金は、企業の運営コストを大きく左右しますが、構成要素や業種別の料金傾向、電気料金が値上がりする要因を理解していますか?
再生可能エネルギーの普及やCO2排出削減への動きなど、近年のエネルギー事情の変化を踏まえ、電気料金の見通しを把握することは企業経営にとって重要です。
本記事では、これらの情報を詳しく解説しながら、電気料金削減方法についても提案します。
ぜひご一読いただき、より効率的な経営に役立ててください。
目次[非表示]
- 1.電気料金の構成要素
- 2.業種別電気料金の傾向
- 3.電気料金値上げの理由
- 3.1.燃料価格の変動
- 3.2.再生可能エネルギーの導入費用
- 3.3.電力需要の増加
- 3.4.設備投資や人件費の増加
- 4.今後予想される電気料金の動き
- 4.1.再生可能エネルギーの普及
- 4.2.世界的なCO2排出削減への動き
- 4.3.節電意識と技術の進化
- 5.電気料金削減のための方法
- 5.1.電力会社の切り替え
- 5.1.1.電力会社切り替えの際の手順
- 5.2.節電
- 5.2.1.取り組みやすい節電項目
- 5.3.太陽光発電の利用
- 6.まとめ
電気料金の構成要素
電気料金は「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」で構成されています。
このうち「基本料金」と「電力量料金」は、電気の使い方次第で料金を下げることができます。
電気料金の構成について知りたい方は、以下から詳しい内容をご覧いただけます。
業種別電気料金の傾向
製造業
工業地域を中心に多く存在する製造業は、機械や設備の稼働により、比較的高い電力を消費します。
そのため、電気料金の推移も安定的に上昇しています。
ピークは生産が最も盛んな時期である繁忙期に合わせて現れることが一般的です。
サービス業
店舗型のビジネスを展開するサービス業の場合、顧客接触の時間帯に電力が大量に消費されます。
昼間や夜間、季節によって消費電力と電気料金の推移が大きく変動することが特徴的です。
IT業界
サーバーやデータセンターの運用により、24時間365日という特殊な電力消費状況を持っています。
電気料金の推移は一定である傾向がありますが、高速化・高機能化に伴い増え続けています。
オフィスビル
エアコンや照明などによる電力消費が主となります。
稼働時間帯の電力消費がピークとなり、休日や閉店後は大幅に電力消費が減ることで電気料金も下がります。
電気料金値上げの理由
燃料価格の変動
我が国が電力を作るために使う燃料の大部分が、原油やLNG(液化天然ガス)等の化石燃料です。
燃料価格が世界的な需給バランスによって上昇すると、直接電気料金へと反映されます。
再生可能エネルギーの導入費用
近年、環境問題への関心の高まりとともに、再生可能エネルギーの導入が進んでいますが、これらのシステムを導入するための初期費用やメンテナンス費用は、高額となります。
再生可能エネルギーの導入費用も結果的に電気料金に反映され、値上げの一因となっています。
電力需要の増加
産業活動の活発化や電子機器の普及により、電力需要は年々増加し続けています。
また、大型企業のオフィスビルなどで省エネ対策に乗り出しているものの、コロナ禍によるテレワーク環境の整備などにより、家庭での電力消費量も増加傾向です。
法人と個人の電力需要の増加も、電気料金の上昇に影響しています。
設備投資や人件費の増加
電力インフラ整備のための設備投資や、電力会社の人件費もまた、電気料金の値上げを引き起こす要素となっています。
特に災害対策強化のための設備投資や高齢化にともなう経験豊富な技術者の人件費は、上昇傾向です。
今後予想される電気料金の動き
再生可能エネルギーの普及
近年、環境に配慮した再生可能エネルギーの普及が進んでいます。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーの利用が増えると、その分、石炭や天然ガス等の化石燃料への依存度を下げることができます。
再生可能エネルギーが電源の一部を占めることで、電気料金の安定化に寄与するとも言われています。
世界的なCO2排出削減への動き
CO2排出削減に対する国際的な意識の高まりが、電気料金にも影響を及ぼすでしょう。
昨今の国際社会では、化石燃料の使用を控えめにする動きが加速しています。
この結果として、化石燃料による発電は削減され、代わりに再生可能エネルギーの利用が増えると予想されます。
この流れを踏まえ、中長期的な視点で見ると電気の供給は、安定化の一途を辿ると見込まれます。
節電意識と技術の進化
個々の節電意識やエネルギー効率の向上も電気料金に影響します。
技術が進化し、より効率的な家電や照明などが増えれば、便利な生活を送りつつ節電が可能になります。
また、スマートメーターやエネルギーマネジメントシステムなどのIT技術により、これまで以上に個々の消費電力を管理しやすくなり、節電力が増すかもしれません。
電気料金削減のための方法
電力会社の切り替え
電力自由化によって多くの新電力が誕生しており、価格競争が活発化しています。
実際に電力会社を切り替えることで、様々な業種の電気料金を削減できる可能性があります。
直近の当社実績にて、製造業(プラスチック製品)で月額の電気料金を40%近くも削減できました。
業種 |
切替前料金(月額) |
切替後削減額(月額) |
削減率 |
---|---|---|---|
製造業(金属製品) |
¥424,595 |
¥143,165 |
33.7% |
製造業(非鉄金属製品) |
¥27,276,347 |
¥8,350,906 |
30.6% |
製造業(プラスチック製品) |
¥8,760,301 |
¥3,235,198 |
36.9% |
製造業(電子部品) |
¥612,510 |
¥96,572 |
15.8% |
製造業(印刷) |
¥6,141,034 |
¥1,160,167 |
18.9% |
卸売業(玩具) |
¥949,127 |
¥122,658 |
12.9% |
鉱業 |
¥2,483,942 |
¥438,727 |
17.7% |
介護施設 |
¥23,108,110 |
¥4,923,669 |
21.3% |
病院 |
¥1,521,040 |
¥270,245 |
17.8% |
不動産業 |
¥984,808 |
¥92,325 |
9.4% |
電力会社切り替えの際の手順
電力会社を切り替える手順はそれほど難しくはありませんが、自社に合った電力会社を確認することや必要な契約手続きを確認することが大切です。
①電力会社の調査と選定 電力会社の料金プランや、提供サービス、供給エネルギー源などを比較し、自社の価値観に合う最適な電力会社を選びましょう。 |
②契約内容の確認 選定した電力会社の契約に必要な内容を確認します。 既存の電力会社との契約解除に必要な手続きや、切替先電力会社との契約に必要な情報を把握しましょう。 |
③現在の電力会社との契約解除 現在の電力会社との契約を解除します。 この際、解約手数料が発生するかどうか確認し、発生する場合はそのコストも考慮に入れましょう。 |
④切替先電力会社との契約手続き 現在の電力会社との契約を解除したら、次に切替先電力会社との契約を行います。 選定した電力会社のウェブサイトやカスタマーセンターを通じて契約手続きを行います。 |
⑤いつから供給開始か確認 切替先電力会社との契約が完了したら、供給が開始されます。 忘れずに供給開始時期を確認しましょう。 |
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節電
節電も電気料金を削減するにあたり、効果的な策といえます。
まずは取り組みやすいものからはじめてみましょう。
取り組みやすい節電項目
照明のLED化 また、LED電球は長寿命なため、頻繁な交換も必要ありません。 |
省エネルギー機器の導入 これらを使うことで無駄な電力の使用を抑えられます。 |
省電力型モードの活用 これらのモードを活用することで、使用していない時間帯の電力消費を抑えることが可能です。 |
電力使用の見直し エアコンの設定温度を適度に保つ、不必要な照明は消す、夜間や休日の電源落とし等、日々の行動一つ一つが大切です。 |
太陽光発電の利用
太陽光発電を活用することで、電力会社から買い入れる電力量が減り、電気料金の削減が可能となります。
また環境負荷が少なく再生可能なエネルギーを利用できるというメリットもあります。
しかし太陽光発電の発電量は天候や設置場所に左右されるため、全ての電力需要を太陽光発電だけで賄うのは難しいです。
まとめ
電気料金値上げの背景には、燃料価格の変動、再生可能エネルギーの導入費用、電力需要の増加、設備投資や人件費の増加など、多様な要素が絡み合っています。
これらの理解は、法人として電力コストをコントロールし、より効率的な経営を行うためにも重要です。
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