法人の電気料金の仕組みを大きく2つに分けて解説
昨今のエネルギー価格の高騰に伴って、電気利用料金を削減したいと考えている企業は多いでしょう。
電気利用料金の削減のためには、法人の電気利用料金の決まり方を理解しておくことが大切です。
ここでは、法人の電気利用料金がどのようにして決まるのか説明していきます。
変動部分
法人の電気利用料金のうち、変動部分は次の3つにより構成されています。
電力量料金
電力量料金というのは、実際に使用した電力量に電力料金単価をかけたものです。
設備などを稼働させる時間が長くなったり冷暖房を強くしたりすると上がり、節電をすれば下がります。
電気利用料金の変動部分の中でもメインとなる部分です。
燃料費調整額
燃料費調整額も、実際に使用した電力量に比例して金額が決まります。
実際に使用した電力量に、燃料費調整単価をかけて計算されます。
燃料費調整単価というのは、3ヶ月ごとに貿易統計をもとにして決定される数値です。
燃料価格が上がると、燃料費調整単価が上がります。
そのため、火力発電のコストが反映されていると捉えていいでしょう。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの買取に充てられる費用のことです。
交付金と想定供給量をもとにして計算されます。
具体的な計算方法は、実際に使用した電力量に再生可能エネルギー発電促進賦課金単価をかけるというものです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は、交付金の見込額を想定供給量で割って年度ごとに計算されます。
固定部分
電気利用料金には、基本料金として固定部分もあります。
法人の場合には、高圧小口と高圧大口、特別高圧などの契約区分に分かれており、中小企業の多くは高圧小口です。
高圧小口の基本料金は、過去1年間の最大デマンドをもとにして決定されます。
最大デマンドというのは、30分ごとの電力使用量のうち最大の数値のことです。
30分間で電力消費量が極端に多くなったときがあれば、その30分間が基準にされ基本料金が上がってしまいます。
逆に電力消費量が平準化されていれば、基本料金は削減できる仕組みです。
また、高圧大口と特別高圧は協議制で、高圧小口のように機械的に決められるわけではありません。
しかし、1年間のデマンド値が大きく影響します。
そのため、いずれの場合もデマンド値を把握し、あまり高くならないようにすることが電気利用料金削減につながるでしょう。
まとめ
法人の電気利用料金は、実際の電力消費量に比例する変動部分と、毎月同じ金額の固定部分に分かれています。
このうち、変動部分は節電で削減可能です。
固定部分に関しては、単に節電するだけでなく、最大デマンド値を下げなければなりません。
電気利用料金を削減するなら、このことを踏まえた上で対策を講じましょう。