工場の電気料金を徹底的に削減しよう!7つの対策とおすすめのソリューションを紹介
工場の電気料金を削減する活動において、本当に効果のある対策やソリューションを知りたい方も多いのではないでしょうか。
電気料金を削減する方法は、省エネ設計の設備・機器へのリニューアルに限らず、最大デマンド値の適切な管理や、新電力への乗り換えなど複数あります。
この記事では、工場の電気料金を徹底的に削減するための、7つの対策とおすすめのソリューションを紹介します。
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工場の電気料金の仕組みについて
法人の電気料金は、法人の電気料金は、基本料金、電力量料金(燃料費調整額を含む)、そして再エネ賦課金の合計で決定されます。
このうち、電力量料金と再エネ賦課金は、電力使用量に比例して決まるため、節電で削減できるのは、電力量料金と再エネ賦課金の部分です。
基本料金は、電力会社との契約によって決まります。
契約電力については、特別高圧・高圧大口・高圧小口の3種類あり、特別高圧から順に基本料金も高くなる仕組みです。
基本料金単価に関しては、特別高圧が最も安い金額で設定されています。 また、同じ契約電力でも過去1年間における最大デマンド値によって、基本料金が異なります。
高圧小口は実量制であり、過去1年間の最大デマンド値に基づいて機械的に基本料金が決まる仕組みです。
一方、特別高圧と高圧大口は協議制ですが、最大デマンド値を考慮して決定されます。
工場の電気料金が高騰している原因とは
工場の電気料金が高騰している原因には、世界情勢の変化による燃料価格の高騰が大きく関わっています。
2021年9月から、石炭と天然ガスの国際市場価格が高騰しました。これらのエネルギー源は、日本の電力供給の大部分を占めているものです。
そのため、原材料の価格上昇は、直接的に電気料金に影響を与えることになります。
2022年2月以降、ロシアによるウクライナ侵略が燃料価格の急激な上昇をもたらしました。ウクライナ情勢の長期化に伴い、現在も原油価格が一層の上昇局面にある状態です。
2023年に入ってから、日本政府は電力料金の高騰を抑えるための緩和措置を実施しました。しかし、それでも電気料金は数年前に比べて依然として高い水準にあります。
これらの要因が複合的に絡んだことで、工場などの大規模な電力消費者は特に電気料金の高騰を強く感じているのが現状です。
工場の電気料金を抑える7つの対策
ここからは、工場の電気料金を削減するために行うべき7つの対策を詳しく紹介します。
①水銀燈をLED照明に交換する
工場の照明に水銀燈を多く使用している場合、LED照明への交換で電気料金を大きく抑えられる可能性があります。水銀燈は、一般的に約250W〜400Wの電力を消費します。
LED照明の場合、同じ明るさでも40W〜60Wの消費電力に抑えられるため、200W近い電力削減も可能です。
蛍光灯からLED照明に交換した場合も、約1/2の消費電力に抑えられると環境省の『家庭部門のCO2排出実態統計調査』で説明しています。
生産性の高い工場ほど、LED照明の導入効果に期待でき、さらに環境への影響も軽減されるメリットがあります。
②省エネ性能が高い空調の適切な利用
工場の電気代削減には、省エネ性能が高い空調システムの適切な利用が有効です。
老朽化した空調機器は消費電力が多く、最新の省エネ性能が高い空調システムに交換することで、消費電力を大幅に削減できます。
環境省の『家庭部門のCO2排出実態統計調査』によると、省エネを快適性を損なわない範囲で目指すため、室温を夏季28℃、冬季20℃とすることが推奨されています。
これにより、不必要な電力消費を避けられ、空調の運転時間が短縮されるため、さらなる電力削減が可能です。
省エネ性能が高い空調システムへの投資と季節に応じた適切な温度設定は、工場の電気代削減に欠かせない対策です。
③遮熱効果の高い間仕切りビニールカーテンの設置
保温・保冷効果の高い間仕切りビニールカーテンなどの設置は、空調の稼働率を抑える対策として有効です。
間仕切りビニールカーテンの設置により、空調の冷暖房効果を局所的に保ちやすくなるため、全体のエネルギー効率が向上します。
特に、工場のような大きな開口部が多い場所では、外気の影響を受けやすいため、ビニールカーテンによる遮断は非常に効果的です。
また、冷蔵室や冷凍室のように特定の温度を保つ必要があるエリアでは、出入りによる温度変動を最小限に抑えることができます。
④遮熱・断熱効果がある塗装を施す
太陽からの直射日光によって屋根が加熱されると、その熱が建物内部に伝わりやすくなり、内部の温度が上昇します。
そこで遮熱・断熱効果がある塗装を施し、屋根からの熱伝導を抑えることで、室温の上下動を抑制できます。
遮熱・断熱塗装は、熱の伝達を抑えて室内の温度を安定化させるため、空調システムの稼働効率が高まるのが利点です。
⑤進相コンデンサによる力率の管理
進相コンデンサは、電力系統の力率を改善して電気使用の効率を高めるための装置であり、電力の無駄遣いが減少します。
電力系統において力率とは、使用される実効電力と全体の見かけ電力(実効電力と無効電力の合計)の比率を示します。
力率が1に近いほど、効率的に電気が使用されていると評価されます。
進相コンデンサは無効電力を抑制し、力率を改善することで、実効電力に対する見かけ電力の割合を低減します。
⑥最大デマンド値を下げる
工場では、機械の稼働が必須であるため、電力使用量自体の削減が難しい場合が多いです。そのため、最大デマンド値の管理が重要になります。
最大デマンド値とは、過去1年間の30分ごとの電力使用量のなかで、最も高かった値のことです。最大デマンド値は、電力の基本料金の計算に大きく影響します。
短時間で電力を大量に使用してしまうと最大デマンド値が上昇し、それに伴って基本料金も高くなります。
逆に、最大デマンド値を低く保つことができれば、基本料金を削減することが可能です。
したがって、工場においては全体の電力使用量を削減するよりも、最大デマンド値を適切に管理することで、電気料金を効果的に抑えられる可能性があります。
最大デマンド値の抑制は、生産能力に影響を与えることなくコスト削減を実現できるため、電力管理の戦略として特に重要です。
⑦電気料金が安い新電力への乗り換え
電力自由化により、現在はより電気料金の安い新電力会社に乗り換えて、電力を購入する選択肢が豊富にあります。
豊富な選択肢から自社に最適な新電力会社を選択するには、市場の動向を理解している専門家のアドバイスが必要です。
専門家によるコンサルティングサービスは、最適価格の新電力会社を見つけられるだけではなく、工場の電力管理の課題抽出と解決もサポートしてもらえます。
電気料金の可視化と削減ならエネクラウド
『エネクラウド』では、工場の電気料金を抑えて、継続的なコスト削減を支援する2つのソリューションを提供しています。
①最大デマンド値の設定を支援する電気管理クラウド
『電気管理クラウド』は、電気使用量を可視化するシステムと、専任コンサルタントによる経費削減に向けた伴走支援を提供するサービスです。
▼電気管理クラウドの特徴
- 各施設のセクションごとの電気の使用状況を計測し、電力使用量を見える化
- 省エネレポーティングによる省エネ施策のアドバイス
- 初期費用0円、EMS代金も分割払いでスモールスタート
電気管理クラウドは、デマンド監視と最大デマンド値の設定を専任コンサルタントが支援します。
工場の複雑な電気管理を専門家の力を借りて効率化したいなら、電気管理クラウドにお任せください。
②専任コンサルが電気料金削減を支援する電気削減クラウド
『電気削減クラウド』は、あらゆる地域・業種・業態の電気料金明細に関するビッグデータを参照し、最適価格の電力会社との契約を支援するサービスです。
▼電気削減クラウドの特徴
- 約11万件以上のビッグデータを活用し、最適価格の電気料金を算出
- 業界最大級60社以上の小売電気事業者から最適な業者を選定
- 専任コンサルタントが新たな電力会社との契約締結まで伴走支援
電気削減クラウドは、経験豊富な専任コンサルによる伴走支援があるため、課題抽出から新たな電力会社の乗り換えまで非常にスムーズに進行します。
どの電力会社との契約が工場にとって最適かお悩みの場合は、電気削減クラウドにお任せください。
まとめ
この記事では、工場の電気料金について以下の内容で詳しく解説しました。
- 工場の電気料金の仕組み
- 工場の電気料金が高騰している原因
- 工場の電気料金を抑える7つの対策
工場の電気料金は、近年の燃料価格高騰の影響を大きく受けており、設備・機器の節電や省エネ対策が急務とされています。
ただし、多くの工場では省エネ設計の設備・機器の入れ替えが難しい現状があります。そのため、最大デマンド値の抑制や新電力への乗り換えが電気料金の削減に非常に有効です。
『エネクラウド』では、電気使用量を可視化するシステムの提供や、データに基づいた効果的な電気代削減の支援を行なっています。
デマンド監視と最大デマンド値の設定を支援する『電気管理クラウド』、専任コンサルタントが最適な新電力を選定・提案する『電気削減クラウド』で、工場の経費削減の課題を解決します。
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