企業における節電の必要性とは?すぐにできる節約方法を紹介
電気代の高騰が社会問題となっている今、企業では経費削減に向けた節電の必要性が高まっています。
特に電力消費量が大きいとされる空調・照明の節電対策は急務であり、設備・機器ごとに戦略的な取り組みが必要です。
この記事では、企業における節電の必要性や具体的な節電対策を紹介します。
目次[非表示]
- 1.企業・オフィスにおける電力消費の内訳
- 2.企業で節電に取り組むメリット
- 2.1.①経費削減になる
- 2.2.②企業イメージアップにつながる
- 3.空調の節電方法
- 3.1.①フィルター掃除を定期的に行う
- 3.2.②適切な温度設定をする
- 3.3.③扇風機やヒーターを使う
- 4.照明の節電方法
- 4.1.①LED照明に変える
- 4.2.②使用していないエリアは消灯する
- 4.3.③人感センサーを活用する
- 5.OA機器の節電方法
- 5.1.①スリープモードを利用する
- 5.2.②パソコンは省電力モードに設定する
- 5.3.③使用していないものはコンセントを抜く
- 6.まとめ
企業・オフィスにおける電力消費の内訳
企業で節電をするにあたって、まずは夏季と冬季で異なる電力消費の内訳を把握しておきましょう。ここでは、オフィスビルにおける電気消費の内訳や、節電に有効な項目を紹介します。
①夏季
経済産業省が令和4年6月に公開した『夏季の省エネ・ 節電メニュー 』では、夏季におけるオフィスビルの電気消費の特徴が紹介されています。
オフィスビルの夏季における電力消費は、空調と証明だけで約72%という大きな割合を占めていることがわかります。
▼夏季におけるオフィスビルでの電力消費量の特徴
内訳 |
電力消費量の割合 |
空調 |
48.6% |
照明 |
23.1% |
パソコン |
6.6% |
複合機 |
7.3% |
エレベーター設備など |
7.3% |
その他 |
7.0% |
また、夏季の電気消費のピークは午前9時から午後7時まで続く傾向にあります。
②冬季
オフィスビルの冬季における電気消費の特徴は、経済産業省が令和4年11月に公開した『冬季の省エネ・ 節電メニュー』で確認できます。
冬季においては、空調の電力消費量が33.5%と夏季よりも少ないです。それでも、空調と照明が多くの割合を占めているため、節電対策が有効だといえます。
▼冬季におけるオフィスビルでの電力消費量の特徴
内訳 |
電力消費量の割合 |
空調 |
33.5% |
照明 |
29.8% |
パソコン |
8.6% |
複合機 |
9.5% |
エレベーター設備など |
9.5% |
その他 |
9.1% |
電気消費のピークについては、夏季と同様に午前9時から午後7時とされています。
企業で節電に取り組むメリット
企業が節電に取り組むメリットには、主に経費削減と企業イメージアップが挙げられます。それぞれのメリットについて詳しく紹介します。
①経費削減になる
企業での節電は、空調・照明・パソコン・その他設備など、エネルギー消費量を抑制して経費の削減につながります。
例えば、老朽化している設備を節電効果の高い設備に入れ替えた場合、毎月の電気代を大きく抑えることも可能です。
消費電力が増えやすい夏季であれば、より節電効果が見込まれます。
②企業イメージアップにつながる
節電対策や省エネへの取り組みを対外的にアピールすることで、企業のイメージアップにつながります。
ステークホルダーに対して、地球環境に配慮した活動をしている企業であると認知されるため、社会的信用を確立させる重要な取り組みにもなります。
空調の節電方法
企業における空調の電気消費量は、夏季においても冬季においても大きくなりがちです。ここでは、空調の代表的な3つの節電方法を解説します。
①フィルター掃除を定期的に行う
空調のフィルターにホコリやゴミが溜まっている場合、冷暖房効率が下がり、消費電力が増える可能性があります。
一般的にはフィルター掃除を2週間に1回程度行うことで、空調のパフォーマンスを良好に維持でき、節電効果も期待できます。
②適切な温度設定をする
空調の過剰な温度調節を控えることで、無駄な電気消費を抑えられます。
設定温度を1度〜2度上げる、または下げるだけでエネルギー使用量を抑えられるため、簡単に節電対策ができます。
③扇風機やヒーターを使う
空調は基本的に消費電力が大きい設備です。そのため、扇風機やヒーターを併用して空調の負担を減らすことで、エネルギー使用量を抑えられます。
扇風機やサーキュレーターを活用した場合、上部・下部に停滞している空気を循環させられるため、冷暖房効率も上昇します。
照明の節電方法
空調に次いで、企業で電力消費量が大きくなりがちな照明の節電方法を解説します。
①LED照明に変える
LED照明は、従来の蛍光灯や白熱電球よりも大きく電気消費量を抑えられる省エネ機器です。発熱量が少ないため、室内温度に与える影響も少ないといわれています。
また、従来の照明機器よりも長寿命であり、交換作業とコストの削減にもつながります。
②使用していないエリアは消灯する
業務に支障が出ない程度に消灯を心がけることで、簡単に節電対策ができます。
ただし、蛍光灯や白熱電球を使用している場合、点灯・消灯の繰り返しで消耗を早める可能性があります。
そのため、照明の使用頻度に応じて、LED照明との交換も視野に入れることが大事です。
③人感センサーを活用する
オフィス内で使用頻度が少ないエリアであれば、人感センサー付き照明を活用した節電対策が有効です。
例えば、常時人が滞在しない廊下や階段、トイレ、休憩スペースなどで人感センサー付き照明の導入を検討します。
人感センサー付き照明なら人の動きを感知したときのみ点灯するため、照明の消し忘れや不要なエネルギーの消耗を防止できます。
OA機器の節電方法
OA機器とは、オフィス業務を自動化・効率化するための電気機器を指します。ここでは、OA機器を活用した3つの節電方法について解説します。
①スリープモードを利用する
パソコンやプリンターなどのOA機器で電源を常時ONにしている場合、スリープモードの利用で電力消費を抑えられます。
OA機器は、起動時・シャットダウン時に大きなエネルギーを使用するため、使用頻度に応じて電力消費が大きくなりやすいです。
電源が付いているにも関わらず、使用していない時間が長いプリンターなどは、スリープモードで大きな節電効果が期待できます。
②パソコンは省電力モードに設定する
OA機器には、自動的に電力消費を抑える省電力モードが搭載されています。
例えば、パソコンで省電力モードに設定した場合、一定時間操作がないときにディスプレイの輝度を自動で落としたり、スリーブモードに移行したりします。
OA機器を一定時間使用しない場合、電源を落とさずに省電力モードに設定したほうが節電効果に期待できるケースもあります。
③使用していないものはコンセントを抜く
パソコンやプリンター、その他のOA機器を長時間使用しない場合、コンセントを抜いておくことで簡単に節電できます。
OA機器にスリープモードや省電力モードが搭載されていても、待機電力は少なからず発生するものです。
コンセントの抜き差しが困難な場所については、電源ON/OFFのスイッチが付いた節電タップを使用すると電力供給を遮断できます。
まとめ
この記事では、企業・オフィスでの節電対策について以下の内容で詳しく解説しました。
- 企業(オフィスビル)における電力消費の内訳
- 企業で節電に取り組むメリット
- 企業における空調・照明・OA機器での節電方法
電気代が高騰し続けている今、企業では電力消費量が大きい空調・照明などを中心とした節電対策の重要性が増しています。
企業で戦略的に節電に取り組む場合、各設備・機器の節電効果を可視化するシステムの導入も重要です。
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